「頑張る」という言葉
「頑張る」と言う言葉は、あまりにも気安く、何気なく使われています。
「頑張る」と言う言葉は、現在、事実上の多義語で、色々な意味を持つようになりました。
「ぼかし言葉」になっている場合も多く、
この言葉を発した本人は深い意味がない場合が多いです。
一方、この言葉を受け取った方も、気にせず受け取ってしまう。
本来の意味で使われているのならばいいのですが、
そのような使われ方はしていないことが多いのが実情です。
元々は、ある定まった意味があったものです。
例えば、ある受験生、次のような言葉を発したとしましょう。
テスト、頑張ります。
さて、これをどう受け取るか?
これには、以下の、2通りの意味に受け取れるのです。
(これ以外に受け取りようがあるかもしれません)
1.絶対にテストに合格します。
2.テストに合格するように、最善を尽くします。(人事を尽くして天命を待つ)
言葉が詰まったようなときには、つい「頑張る」と言ってしまうかもしれませんが、
そこは、意識して、適切な言葉を駆使することをお勧めします。
そうすることによって、相手にもはっきりと意味が伝わり、
表現能力も高まるでしょう。
以下は、「小市民 トシの英語名人への道」さんのブログの抜粋です。
日本語を英訳する場合に、改めて日本語の意味を考えさせてくれます。
とても参考になります。
小市民 トシの英語名人への道
「頑張る」ってどういう意味? そもそもこの「頑張る」という言葉はなんなのだろう?と考え始めたのです。私自身、自分のこと、もしくは相手に対してこの言葉を頻繁に使用しているのですが、頑張るという言葉を発している時というのは、何か特別な意味はなくただ漠然と言葉を出している、という気がしてきたのです。 「頑張る」って何だろう? 「がんばる」 - 《「が(我)には(張)る」の音変化、また「眼張る」の意からとも。「頑張る」は当て字》 1 困難にめげないで我慢してやり抜く。「一致団結して―・る」 2 自分の考え・意志をどこまでも通そうとする。我(が)を張る。「―・って自説を譲らない 3 ある場所を占めて動かないでいる。「入り口に警備員が―・っているので入れない」 なるほど、頑張るにはこのような意味があったのか、と改めて感心していたのですが、そう考えると、早朝に観たあのインタビューの「怪我のないように頑張ります」というのが少しおかしいような気がしてきました。 怪我というのはアクシデントで起こる(happens unexpectedly)ものですね。ということは、怪我のないことを我慢してやり抜くことはできないですし、怪我のないことをどこまでも通すこともできません。この定義には合わなくなってきます。言い換えるならば、「怪我のないよう気をつける」、ではないでしょうか。 「トシ後藤はいちいち細かいなぁ」と思われるかもしれません。よく周りからも理屈っぽいと言われます。ですが、ここで私が言いたいのは、日本語の言葉には、その意味をあまり考えず、その意味をぼかして使用できる言葉が結構あるのではないか、ということなのです。和文英訳などをする時、よく頭を悩ますのがこういった「ぼかし言葉」だと思うのです。 例えば今回の「頑張る」にしても、文脈によって全く異なって意味を成してくるのです。以下の例文をご覧ください。 君はもっと数学を頑張らなきゃいけないな。 頑張る → より数学を勉強する必要がある try harder / study more 少し話しがズレてしまいましたね。とにかく「頑張る」という言葉自体、これから気をつけて使っていこうと思った、ということは言いたかっただけなんです。 ただ単に頑張れというのではなく、何をどう頑張るのか、またそもそも頑張るという言葉を使うべき文脈なのか、そういったことにこれからは気をつけていく必要があるのではないかと思いました。普段からできるかぎり論理的な考え方、話し方をすることで、英語を使う時に英語的思考を実行しやすくなる、と思えてなりません。 | |||||||||||||||||||||||||
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