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2010年4月26日 (月)

太い幹育てる長期視点を

「事業仕分け」第2弾が始まりましたね。

「事業仕分け」とは、人気取りのための単なる政治ショーなのか?

数学者森教授は、「太い幹育てる長期視点を」と主張されています。
政治屋にそんなこと言っても、解るかな?

政治家は、自分の国をこのようにしようという明確なビジョンを持っていますが、
政治屋は、選挙に勝つことしか頭にありません。

残念ながら、今の政府には、口では「科学・技術立国」という言葉を使っても、
科学に対する理解も不十分で、配慮も足りません。
 

読売新聞 朝刊 社会 2010-04.24(土)

科学技術の事業仕分け 「フィールズ賞」森教授に聞く
 47の独立行政法人を対象にした政府の「事業仕分け」第2弾は初日の23日、「沖縄科学技術研究基盤整備機構」の事業規模の「縮減」を決めたほか、28日までに「理化学研究所」「科学技術振興機構」など30近い科学技術系事業も仕分けの対象にする。科学技術の予算は果たして「費用対効果」の議論になじむのか。昨年11月の第1弾の際、4人の日本人ノーベル賞受賞者とともに、仕分けの在り方を批判する声明を出した京都大学数理解析研究の森重文教授(59)に話を聞いた。


太い幹育てる長期視点を
 事業仕訳けを考えるにあたって、政治家がよく使う「科学・技術立国」という言葉についてまず述べたい。

 科学は、樹木が太い幹を伸ばし、その結果として大きな果実を得ることに似ている。幹は基礎的研究であり、果実は成果としての技術や社会貢献になる。目先の果実を得ようとして次々にもぎ取ったら、幹は育たないし、大きな収穫にはつながらない。科学で国を興すには、太い幹を育てる長期的視点が求められる。
 もちろん無駄の削減について科学だけが聖域ではないし、公費から巨額の補助が出ているなら成果をきちんと説明する必要がある。その意味で昨年の事業仕分けで、次世代スーパーコンピューター(スパコン)開発について「(世界の)2位ではダメなのか」と問われた時、説明者は説得力のある答えをするべきだった。
 だが、うまく受け答えができなかったことを理由に予算凍結と判定されたことには大きな違和感を覚える。あの言葉が、若手研究者に失望を与えたことも政治家には考えてほしい。
 私は、大学院修士課程を卒業した24歳で京大の助手になることができ、落ち着いて研究できる環境を与えてもらった。研究職に就けなければ私は家業のタオル卸業を継いでいたでしょう。
 昔と今で時代が違うことはわかる。でも仕分けをするなら、果実だけでなく、幹やその前の種まきから考えてるべきだと思う。1、2か月の事前調査で、運営費交付金も競争的資金も事務費も一律に削るのではなく、全体を見据え、冷静で客観的な議論が必要なのです。
 予算の無駄遣いとは一体、何なのか──。事業仕訳を単なる「政治ショー」に終わられないためにも、政治家には、そのことをしっかり考えていただきたい。

森重文教授
 数学者。1973年京大理学部卒。専門は代数幾何学の研究で、87年に100年来の未解決の問題だった「複素3次元極小モデルの存在」を独自の「森理論」を使って証明。90年8月、数学のノーベル賞とされる「フィールズ賞」を受賞した。同年11月に文化功労者。

 
[参考ブログ]ヒロさんの俳句でサイエンス
科学でいう「むだ」は奥が深いようです。

事業仕分け第2弾

    読売新聞  平成22年4月24日

「事業仕分け」第2弾がはじまった。

議会で毎年予算審議するのに、今まではやってこなかったのか、
適切な事業か、今おこなうべきか、内容はよいか、費用は妥当か、
むだはないか  など
町議会、市議会、県議会、国会で 議員たちは やってこなかったのか

結果的に、予算は組んだが、借金が残った。
最後は、庶民にツケが回る。
いつの時代でも繰り返されること。

さて、記事には、科学技術振興に関し  数学のノーベル賞といわれる
フィールズ賞受賞の 京大 森重文教授 のことばが載っている。

   「科学で国を興すには、太い幹を育てる長期的な視点が求められる。
        ・・・・・
    1・2か月の事前調査で、運営費交付金も競争的資金も事務費も一律
    に削るのではなく、全体を見据え、冷静で客観的な議論が必要なのです。」

科学技術の研究では、すぐには結果が出にくい。
結果が出ないときのほうが多いといってもいいだろう。
100や1000の内、1つ結果が出ればいいとこだろう。
また、そこまでいってもいかなくても失敗の連続であり、失敗から結果が出てくるものである。
(失敗したくないのであれば、もはやそれは研究でなく、やった人のあとをついてゆくしかない。)

そういう点において、科学技術の予算組み時の「費用対効果」の議論はなじみにくい。

日本初のノーベル賞受賞の 湯川秀樹 の  「現代科学と人間」 岩波書店 の中に
  「 『むだ』ということ 」 という文章がある。 少し長くなるが引用してみよう。

    研究ということは、その本質的性格に伴って、ある程度の「むだ」をさけることが
    できない。  ・・・・・
    科学の先進国というのは、どれも研究の段階で相当の「むだ」を惜しまなかった
    国である。ところが研究段階での「むだ」を惜しんでいた国は、結局の所でもっと
    もっと大きな「むだ」をしなければならなくなっているのである。
研究段階での
    「むだ」を全部よその国にしょいこんでもらっていると、いつまでたっても後進国
    にとどまることになる。そればかりではない。研究の段階である程度の「むだ」は
    あっても、できうる限り色々な可能性を追求しておくことか゜、前途の大きな危険
    を避け、正しい道を選ぶのに、非常に役立つのである。「むだ」という言葉がいや
    なら「縁の下の力持」という言葉を使ってもよい。   ・・・・・
    一国の発展の方策をきめる大切な目安がここにある  ・・・・・ 。
       (昭和32年1月)

いまから  53年も前の  ことばである。



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